ゴルフスイングにおける重さとは引力のこと!水平方向には重さが0になる?【真中幾造のゴルフ理論 飛ばしの法則01-2】
2016/11/30
真中幾造のゴルフ理論 飛ばしの法則01-2 重さとは引力のこと 水平方向には重さが0になる
01-2 重さとは引力のこと 水平方向に重さは無い
力には重さという力と速度という力があり、下半身が重さの力・腕は速度の力を持っています。
ボールを遠くに飛ばすのは基本的に速度の力ですから、そのためには腕に対して重さをできるだけ軽くさせる必要があります。
では、その重さとは何かをまず考えてみましょう。
体重計に乗ります。
私たちは指した目盛りを自分の重さだと思っています、それは間違いではないのですが、これは地球が引っ張っている力であり、体重計は引力を計っているのです。
つまり、重さとは引力のことです。
さらに引力には速度の力もあります。
ボールをこの高さから落とします。
落とす高さが高くなるほど、丸太に対する衝撃も大きくなります。
ボールの重さに変化が無くても、衝撃の力は増しています。
つまり、引力には重さという力と、加速という力があるという事です。
ボールをこの高さから手の上に落とすと、当然手には重さ以上の力を感じます。
では、重さを感じないようにするには、どうすれば良いのでしょう?
それは、落ちてくるボールと同じ速度で手を下ろせば、重さは感じません。
重さを感じるのは手が静止しているからで、加速させて手を下ろしている間はボールの重さは0になります。
つまり、重さとは引力に逆らうから発生するのです。
ただし、重さが0になるのは鉛直方向だけではありません。
次の実験です。
15㎏の丸太があります。
では、横に押して動かそうとすると、どのくらいの力が必要でしょう?15㎏でしょうか?
押してみます。
軽い力で動きます、指1本で動かすことができます。
バネばかりで引っ張ってみると、なんと1㎏程度で動きます。
もう少し引っ張ると2㎏の力で倒せそうです。
なぜ15㎏の力にならないのでしょう?
それは、15㎏という重さは丸太に対する引力であって、引力は鉛直方向に働いています。
つまり、水平方向には引力が働いていないということです。
では、丸太の下側を引っ張ってみましょう。
すると7㎏で動きましたが、なぜ7㎏も力がいるのでしょう?
それは、地面と丸太の間に摩擦があるからです。
キャスターの付いた籠を用意しました。
丸太を籠の中に入れて、できるだけ摩擦の少ない状態にします。
籠と丸太を合わせて18.5㎏の重さになりました。
これをバネばかりで引っ張ると、18.5㎏の丸太がわずか1㎏の力で動きました。
重さが軽くなったのではありません、摩擦の力が減ったのです。
1㎏は丸太の重さではありません。
重さは鉛直方向にしかありません、水平方向には重さが0になるのです。
トップです。
引力方向、つまり下への動きには重さは発生しません。
さらに、横への動きにも重さは発生しません。
腕とクラブは下と横への動きです、そして体の回転も基本的に横への動きです。
これでは、引力に逆らう動作がありません、引力に逆らうのはインパクトした後の動作です。
これなら、体に対する重さは0という事になります。
しかし、騙されてはいけません。
クラブを振ると、何か重く感じることはありませんか?
実は2つの重さがあるのです。
一つは引力という重さで、もう一つは加速という重さです。
右手にノートを乗せると重さを感じますが、これが引力です。
そして、手を逆さまにしたらノートの重さは感じません。
引力に逆らっていないからです。
ところが、このように(地面に叩き付けるように)ノートを下ろすとどうでしょう?
一瞬ですがノートの重さを感じます。
スローで見るとノートは手に吸い付いていますが、この時ノートの重さを感じています。
なぜ重さを感じるのでしょう?
それは、手が加速しているからです。
しかし、加速できなくなると重さは感じなくなります。
皆さんも旅客機で離陸する時に、座席で加速の力を体に感じているはずです。
この重さをひとまず「加速の力」と表現しておきましょう。
加速という力と引力は、全く異なる力です。
スイング中に引力を感じていると、クラブは速く振れません。
しかし、加速という力を感じると飛距離を伸ばすことが可能となります。
この力を長く感じるほど加速しています、感じなくなった時は加速をしていません。
実は飛距離の劣る人ほど、スイング中に加速の力ではなく引力の力を感じています。
飛距離の劣る人は、まずスイング中の引力を解決させる必要があります。
ところが、引力なのか加速の力なのかを判断することは難しいことです。
そこで、引力に逆らう動きはどのようにして発生するのかを理解することです。
それは、次回・・・。
今回のポイント
・ゴルフスイングに関わる力には「引力の力」と「加速の力」の2つの力があるが、飛距離を伸ばすために必要な力は「加速の力」である。