【倉本昌弘のベストゴルフ!】~ガードバンカー~
2015/09/07
【倉本昌弘のベストゴルフ!】~ガードバンカー編~
大塚範一:では、バンカーショットの実践。
倉本昌弘プロ:はい。
大塚:珍しく2人でバンカーに入りますが。
倉本:そうですね。
大塚:ここに来て、まず何を考えたらいいんでしょうか?
倉本:まず、一番最初に考える事はボールのライですね。
球が良い所にあるのか、それとも潜っているのか(要するに目玉になっているのか)それともダウンヒルなのかアップヒルなのか、そういうライですね。
まあ、この状況ですと球は良い所にあります、それから少しアップヒル、それからグリーンまでが6ヤードぐらい。
それから、グリーンエッジからピンまでが10ヤードちょっとあるかな!というぐらいですね。
それから、グリーンの状況。
グリーンの状態と言うのは、少しアップヒルと言った感じですね。
大塚:そうですね。
倉本:はい。
それから、この17~18ヤード・15ヤードぐらいというのが、一番球が止まりやすいバンカーショットなんですね。
大塚:あ、じゃ条件は今バンカーショットとしては最高な訳ですね?
倉本:そうです、最高です。
だからこれで、いい打ち方ができるかどうかって言う・・・!
大塚:ああ、なるほど。
それでは、まず見本を示して頂きます。
倉本:はい、じゃあ打ってみます。
(倉本、バンカーショット解説)
倉本:下半身は殆ど動かさない、上体だけの回転で打っていきますね。
大塚:左足がちょっと上がっているショットですが。
倉本:はい。
それから、膝の高さも変わってない。
大塚:さあ、これを覚えておいて頂いて、これからバンカーショットの解説に移って頂きます。
倉本:はい、そうですね、ハイ!
じゃ、ボールを・・・ハイ。
まず、これは普通のバンカーショットですから、ショットと同じように考えて良いと思うんですね。
ですから、ボールの打つこれがラインですね。
それから、これに90度の線。
それから、スタンスの方向。
スタンスの方向と言うのは、これ(ボールの打つライン)とこれ(スタンスのライン)は平行ですね。
大塚:これですと、ごく普通のショットということですね?
倉本:これは普通のショットをする場合です。
ただ、これだとバンカーショットはできないですね。
大塚:はい。
倉本:で、当然フェイスもピンの方向に向くんですけれども、このまま打ってしまうと、遥かに飛んで行ってしまいます、はい。
大塚:どこまで行くか分かりません(笑)
バンカーショットをやってもそうなる事は時々ありますが・・・。
それではいけませんね。
倉本:そうですね、これをバンカーショットしやすくするために工夫をする訳です。
で、これはどういう工夫かといいますと、まずフェイスが少し開く。
この状態でフェイスを開きますと、フェイスの向きと言うのはこっち(スライス方向)を向きますよね。
こういう風に・・・。
それじゃ飛んで行く方向は、向こう(スライス方向)へ飛んで行く訳です。
ボールと言うのは、フェイスが向いた方向を飛んで行く訳ですね。
ですから、フェイスの向きと言うのはこの線(ボールの打ち出す線)に対して真っ直ぐ向けないといけない訳です。
ですから、この状態で開かなければいけない訳ですね。
大塚:この状態で開く・・・。
倉本:はい。
で、この状態で開くために、ここで立っていると手と言うのはこんなに中に入っている・・・。
これじゃ打てないですね。
ですから、今度はスタンスを変えてやらなければいけない。
大塚:右が前に出ましたね。
倉本:はい、打てる状態。
要するに、こういう風な状態ですね。
これに沿って構えてやらなければいけない・・・。
ですから、身体はこっちへ来なければいけないですね。
そうすると、スタンスの線と言うのはこういう向き(フック方向)になります。
そうすると、ここで交わりますよね。
こういう風に、ここで交わりますね!
で、これが強く交われば交わるほど、例えばもっと近くで交わる。
まあ、こんな極端なオープンスタンスは無いですけれども、近くで交われば交わるほど、フェイスの向きと言うのは開きますね。
大塚:はい。
倉本:ですから、球は飛ばない訳です。
それから、距離も出ない。
それから、これがもっと遠く、もっと向こうで交わればフェイスの向きと言うのはそんなに開かないですから、ある程度距離が出るという風になります。
あとは、スイングの方向なんですけれども、フェイスの線に沿って、このボールの打たなければいけない方向に沿ってスイングをしてやる訳です。
ちょっとやってみます。
(倉本、ショット)
こうですね。
はい、これで初めて球に対してエクスプロージョンという、砂の爆発を利用して打てる打ち方ができる訳です。
大塚:じゃ、スローVTRを・・・。
(ショット解説)
倉本:オープンスタンスで、球を打たなければいけない方向にスイングをする。
ですから、バックスイングは当然身体の向きに対してはインサイドに入って来る。
大塚:インサイドですね。
倉本:それからフォロースルーは、当然アウトサイドに出て行きます。
大塚:インサイドアウトですね!
倉本:はい。
ですから、フォロースルーはちょっと放り出すような感じですね。
(解説終り)
大塚:さて、あとは距離の問題が残りますが。
倉本:はい。
で、今言った交わるところ、これを近くすればするほど距離が出なくなる訳ですね。
大塚:はい、じゃその距離の出なくなる打ち方を・・・。
倉本:はい。
この線(ボールの打ち出す方向)に対して、交わるところを極端にしてみます。
こういう位置で、こうですね。
こういう身体の向きになりますね。
大塚:これでも、クラブは真っ直ぐにボールの飛んで行く方向に振るんですね?
倉本:はい、クラブはこの飛んで行く方向に、そしてスイングも飛んで行く方向に振らなければいけない。
(倉本、ショット)
距離が出ないですね。
大塚:グリーンエッジにちょっと落ちただけですね。
(ショット解説)
倉本:極端に身体を開いていますね。
それで、バックスイングも通常で見るよりも全然インサイドに入っていると思います。
それから下りて来ます、下りて来て今度はフォロースルーは身体に巻きつくようにじゃなくて、全体的に手が前に出て行くと・・・。
(解説終り)
大塚:今度はちょっと距離を出して打って頂けますか?
倉本:はい。
それでは、今度はこのライン(ボールの打ち出す方向)に対して身体の向き、これをず~~~~っと先の方で・・・。
大塚:こんな方まで、ほぼ平行に近いんじゃないかと思われるんですけど。
倉本:そうですね、ほぼ平行に近い所で交わらせています。
(倉本、ショット)
こういうショットになりますね。
(ショット解説)
倉本:これはもう、さっきに比べて殆ど身体の向きと球の飛んで行く方向が平行になっている。
大塚:はい。
倉本:それから、バックスイングはさっきと殆ど同じぐらいですけれども、フォロースルーに掛けて手がちゃんと身体に巻き付いて行っているというショットですね。
大塚:では、あともう少し近い所から、倉本さんにお願いしましょう。
倉本:はい、やってみましょう。
大塚:よくプロにとっちゃ「バンカーなんか、なんでもないんだ」って、よく聞きますよね。
どうですか、実際に?
倉本:実際には、変なライでアプローチするよりもバンカーの方が良いですね。
大塚:ああ、そうですか。
倉本:はい。
大塚:じゃ、もうこれくらいの距離、まあ10ヤードちょっとでしょうか。
倉本:そうです、10ヤード弱ぐらいでグリーンエッジまで同じ半分ぐらいの距離ですね、4~5メーター。
大塚:しかも、ちょっと下りですね今度はね。
倉本:ちょっと下りで、球も止めにくい状況なんですけれども。
例えばこういうところで、深いラフの中と言うよりも、やっぱりバンカーの方が良いですね。
大塚:ああ、そうですか。
じゃあ、その妙技を見せて頂きましょう。
倉本:はい、じゃあちょっとやってみましょう。
(倉本、ショット)
大塚:手前から転がって行きました。
倉本:はい、これはいま転がすバンカーショットをやったんですけど、今度はじゃあ止めるバンカーショットをやってみます。
大塚:はい。
(倉本ショット)
大塚:うわ~、下りだけど止まりますね。
倉本:はい、転がらないですね。
大塚:さあ、なぜ転がり、なぜ止まるのでしょうか?
倉本:はい、これはですね、最初のやつは少し厚く砂を取っているんです。
それから、フェイスの開き度合いも少ないです。
それから、後からやったのはフェイスも開いてるし、砂の取る量も少ないんです。
ですから、スピンが余計に掛かる。
それと、一般のアマチュアの方と我々のバンカーショットの一番の違いと言うのは、このサンドウエッジってありますね、ここのこっちフェイス側ではない背中の方ですね。
サンドウエッジと言うのは見て分かる通り、背中のここの部分が高いんです。
これが、なぜ高くなっているかご存じですか?
大塚:え~~~~、教えて下さい。
倉本:はい、これはですね、ボールをクリーンに打つ訳じゃなくて、砂の爆発で球を飛ばす訳ですね。
大塚:砂を取る訳ですね。
倉本:はい、その時にここが無いとフェイスが、クラブヘッドが深く入ってしまうんです。
大塚:あ、そうすると、砂が爆発してこない。
倉本:はい。
で、これがある事によって砂が爆発する。
これを上手く使うか使わないかっていう事が、バンカーショットが上手いか下手かという・・・。
大塚:そうすると、この部分を意識しながら振らないといけない。
倉本:そうです。
ですから、我々バンカーショットと言うのは、球を止めたい時にはここを意識しますし、そうじゃなくて球を転がしたいなと思う時にはこっち側(フェイス側)を意識するんです。