ゴルフスイングのロスを最小限にする動作の順番とは?【講師 真中幾造氏】
真中幾造のゴルフ理論 飛ばしの法則03-2 ロスを最小限にする動作の順番
クラブを振るとイスは逆回転してしまい、これではクラブの速度にロスが生じます。
筋肉はクラブだけを引っ張るのではなく、イスも引っ張っているのです。
では、クラブだけを引っ張るにはどうすれば良いのでしょう?
ただ単に2つの滑車を置くだけでは、下の滑車が画面左方向に戻されてしまいます。
ゴムの力は両方の滑車を引っ張っているからです。
下の滑車が戻されないためには、その力と対抗する力を発生させる必要があります。
そこで、次のように行います。
私たちも単に地面に立ってクラブを振るだけでは、下半身が逆回転させられてしまいます。
小さな戻りであっても、大きなロスです。
下半身が逆回転しないためには、それと対抗する別の力を発生させる必要があります。
これが下半身の逆回転を止める動きで、力の伝わり方がまるで違います。
クラブを速く振っている割には、力が伝わる感覚になりません。
下半身の逆回転を止めるスイングは、下半身を左回転させながらクラブを振ります。
また、途中で回転を止めてはいけません。
下半身を回転する力が発生している間にクラブを振る事です。
下半身が先に回転することで、上半身が引っ張られます。
これは下半身の左回転に対して、逆回転の力が働いたために止められているのです。
ここは勘違いしないことです。
上半身の回転や腕の振りが速い人ほど、下半身は止められてしまいます。
ところで、この逆回転の力は基本的に4つの部位で発生しています。
ところが上半身を回転させようとすると、今度は腰に逆回転の力が発生します。
この力と対抗するには、上半身より先に腰を左回転させる必要があります。
この力と対抗するには、腰よりも先に脚を回転させる必要があります。
そして、逆回転の発生するところがもう一つあるのですが、どこだか分かりますか?
実は、地面も回転しています。
この上でクラブを振ると、どうなるか想像できますか?
これでは、ボールにインパクトできないかもしれません。
本当は地球も逆回転しているのかも知れません。
地面は回転しない前提で、私たちはスイングすることができるのです。
よって、速度のロスを最小限にする動きの順番は「足で地面に力を加える」>「腰を回転させる」>「上半身を回転させる」>「腕を振る」という事です。
ただし、この考え方にも理解しておくことがあります。
この姿勢から籠をイスの上に載せたいのですが、腕だけの力では無理があります。
これが正しい動作です。
ところが、こんなに小さくて軽い籠ならどうでしょう?
しかし本当に力の無い人は、下半身で持ち上げなければなりません。
しかし、力のある人にとってこれは非合理的で納得のいかない動作です。
何が正しい動作とは言えません。
とは言ってもこの重さにすれば、力のある人でもこれが正しい動作となります。
動作はあらゆる条件で変化することを理解しておくべきです。
ゴルフスイングも同様です。
下半身で振っている感覚がある人もいれば、腕で振っている感覚の人もいます。
肉体条件は人それぞれですから、どちらが正しいとは言えません。
また、次のような例もあります。
例えば、下半身の回転速度が速い人、また下半身が先行しすぎる人、このような人は腕の動きが遅れがちになります。
そこで、腕を先に振る意識が必要になりますが、これで上手く行けば「ゴルフスイングは腕の動きが重要だ!」という見解になるかもしれません。
また逆に、体の回転を止めれば腕が間に合うかもしれませんので、これで上手くいけば「腰の回転はさほど必要がない!」という見解になるかもしれません。
しかし、ゴルフスイングの力はこのように使われることがロスの少ない動きとなります。
体が変化すれば、また違った感覚や見解になるからです。
色々なスイングがあるのではありません、色々な体の条件があるのです。
ここでは、できるだけ感覚にまどわされないよう、力学的に進めています。
では、次回・・・。
今回のポイント
・速度のロスを最小限にする動きの順番は「足で地面に力を加える」>「腰を回転させる」>「上半身を回転させる」>「腕を振る」である!
・ひとそれぞれに肉体条件が違うので、ゴルフスイングにおいての重要となる感覚が違って来る!