ゴルフレッスン(5)弾道の法則・ラウンドレッスン【講師 スコット・サケット(Scott Sackett)氏】

      2015/08/10

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PGAツアーゴルフアカデミーのチーフインストラクター、スコット・サケット。

世界最高峰PGAツアー公認メソットに基づいた丁寧で解りやすい指導は、ツアープロも­絶大な信頼をよせています。

あなたもPGAツアー公認メソットでワンランク上のゴルフを目指しましょう。

 

 

ナレーション:ハンディキャップ15、スライスに悩むボブ!

ハンディキャップ28のノーリーンもやはり課題はスライスの克服。

一方、フックが悩みと言うハンディキャップ12のティム。

 

3人の生徒たちは前回のレッスンで、ドライバーの打ち方を学びました。

ドライバーはアイアンよりクラブが長い分、スイングがフラットになります。

ティーアップしたボールを、アッパーブローで捉えるイメージで打ってください。

ただし、ボールの位置が左に寄るために、アドレスで肩が開きやすくなります。

特にスライスで悩んでいる人は、必ず肩をスクエアに構えるように気を付けて下さい。

ドライバー上達のポイントは、正しいアドレスの構え方を覚えることです。

 

レッスン9回目の今日は、プリショットルーティーンと弾道の法則について勉強して行きます。

【Lesson9】~プリショットルーティーン&弾道の法則(Pre‐Shot Routine & Ball Flight Laws)~

ナレーション:プリショットルーティーンとは、ショットを打つ前に必ず行う一連の動作のこと。

一見、何気なくやっているように見えるこの動きが、実はプレーの結果を左右する重要な役割を担っています。

生徒たちも、既に自分なりのプリショットルーティーンを持っているようですが、サケット先生はまずそれぞれがどのようなやり方を取り入れているのか訊いてみました。

スコット・サケット:ボブは、いつもどうしてますか?

ボブ:ショットの前は、いつもクラブで靴を叩いてからシャツの袖をまくりあげます。

スコット・サケット:それをきっかけの動きと呼びます。

中間目標は定めますか?

ボブ:はい、ボールの先2~3mくらいのターゲットライン上に、何か目印を見つけるようにしています。

スコット・サケット:ノーリーンはどうですか?

ノーリーン:私はまずボールの後ろに立って、中間目標を決めて帽子に触ってからアドレスに入ります。

スコット・サケット:そうする事で、リラックスできるんですね。

凄くいいですよ!

じゃあ、ティムはどうでしょう?

ティム:僕も同じように、まずターゲットを確認して中間目標を決めます。

ショットに入るきっかけは、クラブで地面をたたく事ですね。

スコット・サケット:皆さんも、プリショットルーティーンを持っているんですね。

ただし、ここで重要なのはリー・トレビノが言ったように、ガレージから車を出すような感覚で行うと言う事です。

つまり、100パーセント無意識で行うんです。

車を出すのに「キーを入れて」「ハンドルを握って」なんて、いちいち考えませんよね。

何も考えずにやっているはずです。

プリショットルーティーンで最も重要なポイントはここです。

そして、この部分にアマチュアとツアープロの違いが顕著に表れます。

ツアープロの場合は、ボールをチラッと見てターゲットをじっと見つめます。

ボールよりもターゲットを見るんです。

しかし、アマチュアのほとんどはボールをじっと見つめて、ターゲットはチラッとしか見ません。

ゴルフでは、自分が打つまでボールはどこにも行きません。

そんなにボールを気にする必要は無いんです。

そこで今日はこれから、フルショットからショートゲームまで、あらゆるショットに使える理想的なプリショットルーティーンのやり方を、一つ一つ手順を追って皆さんにお教えします。

これを身に付けることによって、コースでプレーする際に最も大切な、ラウンド中のメンタル面とコースマネージメントの強化が可能となりますよ。

 

【プリショットルーティーンが果たす4つの役割】

ナレーション:それではまず、プリショットルーティーンが果たす4つの役割を説明しておきましょう。

一つ目は、集中力を高めること。

ゴルフでは一打ごとに気持ちを集中させる必要がありますが、プリショットルーティーンはそのための儀式と考えて下さい。

次に心と体をリラックスさせること。

いつも決まった同じ動きでショットに入る事によって、頭の中から余計な考えや不安を取り除く事ができるため、心と体の緊張が和らぎます。

3つ目は、自信を持ってショットに臨めること。

打ちたいショットを予めイメージしておく事によって、目の前の一打に対してポジティブに取り組む事ができます。

そして4つ目は、正しいアライメントで構えることができるということ。

ターゲットに対してスクエアに構えるための手順をシステム化し、プリショットルーティーンの中に組み込む事で、常に正しいアライメントでアドレスできます。

 

スコット・サケット:ではこれから、一つずつポイントを見て行きますが、自分に欠けている要素があったら、それも取り入れるようにして下さい。

ボブ、最初は何ですか?

ボブ:キッカケです。

スコット・サケット:キッカケの動きとは、どんなものですか?

ボブ:ちょっとした動作です。

スコット・サケット:ここから全てが始まると言う合図で、ノーリーンのように帽子に触ったり、グローブをいじったり、ズボンを上げたり、袖をつまんだり、自分がやりやすい動きなら何でもかまいません。

じゃあノーリーン、2つ目は?

ノーリーン:素振りをする!

スコット・サケット:どんな風に素振りをすれば良いですか?

ボブ:リラックスしたフォームを意識します。

そして、実際にボールを打つ時とは違って、あくまでもスイングのリズムを掴むように素振りをします。

スコット・サケット:リラックスする事は非常に大切ですが、更にもう一つ、自分の課題を意識した素振りをするようにしましょう。

例えば、ティムの課題はインサイドアウトの軌道を直すことですから、素振りの時はアウトサイドインに振るようにします。

ノーリーンとボブは、バックスイングを普通に上げてたら、そこからインサイドアウトに素振りをしましょう。

あなたたちは、アウトサイドインのスイングの軌道ですからね。

素振りの時に、課題の動きを極端にやっておくんです。

 

【理想的なプリショットルーティーン】

ナレーション:では理想的なプリショットルーティーンとは、どのようなものなのか、順を追ってポイントを見て行きましょう。

■まず、キッカケの動作。

ここではグローブのマジックテープを止め直す動作が気持ちを集中させるキッカケとなっています。

■次に、自分の課題を意識しながら1~2回軽く素振りをします。

■ボールの後ろに立って目標を確認し、ターゲットラインの後方からショットをイメージ。

もちろんこの時頭に描くイメージは、ナイスショットです。

■続いて中間目標を設定します。

ボールから1~2m先のターゲットライン上に目印を見つけ、その中間目標に対してセットアップ。

目標が近いとアライメントは正確になります。

■中間目標に対してクラブフェイスをスクエアにセット。

この時体を開いた方が、方向を確認しやすくなります。

■そして、スタンスをスクエアに構えます。

この手順を覚える事によって、常に正しいアドレスが作れるようになります。

■最後に、腕と体を動かしながら視線は目標に向けます。

体全体をリラックスさせてスイングのリズムを取り、しっかりと気持ちをターゲットに集中させれば、ナイスショットの確率はグンとアップします。

 

スコット・サケット:さてここで、アマチュアに欠けている重要なポイントは、アドレスで体を動かし続ける事です。

ツアープロを見てみると、このようにアドレスでは常に体を動かしています。

しかしアマチュアの場合は構えに入ると動きが止まり、体はガチガチに固まってしまいます。

ボブ:体にも悪い!

スコット・サケット:そうですね、アドレスで固まっているツアープロなんて皆さんも見た事ないでしょ。

そして、この動作にかかるのは、せいぜい10秒から20秒ぐらいの短い時間なんです。

最初から最後まで、つまりキャディーバッグからクラブを抜き出してショットを打ち終えるまでだって、わずか30~40秒。

たったそれだけの事で、ゴルフは上達します。

 

ナレーション:理想的なプリショットルーティーンのやり方を教わった生徒たち。

サケット先生の指導に従って、一つ一つの動作を体に覚え込ませます。

今までと違う新しい動きには、まだまだぎこちなさが目立ちますが、これでゴルフが上達すると分かれば練習にも自然と熱が入ります。

 

スコット・サケット:今までのやりかたと較べて、違いはありますか?

ノーリーン:いつもはこんなに長くターゲットを見ません。

スコット・サケット:そこが重要なんです。

意識はターゲットに集中させて、ボールはあまり気にしないで下さい。

ツアープロのように、ターゲット、ターゲット、ボール、ターゲット、ターゲット、ボール、そして打つ。

いいですね!

じゃあ、次はボブです。

ボールはティーアップして下さい。

それでは何回か素振りをして下さい。

素振りについてはさきほど説明したように、ボールの横でやった方がいいと思います。

スイングの事は先に済ませておいて、ボールの後ろに来たらあとはターゲットに集中するだけという状態を作っておくのです。

その方が集中力が増します。

ボブの場合はインサイドアウトの素振りですよ。

ボブ:ハイ!

スコット・サケット:いいですよ! じゃ、ボールの後ろに行きましょう。

まず打ちたいショットをイメージして、それから中間目標を決めます。

ここでちょっと確認ですが、中間目標は何を目印にしますか?

芝の禿げたところとか、葉っぱとか、なにか小さなもので良いんですよ。

ボブ:私は、あそこに目印を見つけました! ここです。

スコット・サケット:なるほど!

でもいいですか、目印の場所はあそこよりも、ここにあった方がフェイスをスクエアにセットしやすいと思いませんか?

ボブ:そうですね、近い方が楽ですねぇ。

スコット・サケット:ですから中間目標はなるべくボールの先2m以内に探すようにしてください。

ではボールにアドレスしますが、中間目標に対してまず最初にクラブフェイスをスクエアにセットします。

それからスタンスを作ります。

いですよ!

そうしたら次はターゲットを見つめて、ボールをチラッと見る。

ターゲットを見つめて、ボールをチラッと見る。

準備できたら打ちましょう!
(ボブ、実打)

そのままボールの行方を見て!

いいでしょう!

今日学んだプリショットルーティーンは、今まで皆さんがやってきたものとは多少違うと思います。

全てこの通りにやる必要はありませんが、次のポイントは必ず取り入れて下さい。

ショットをイメージすること。

課題を意識した素振りをすること。

1~2回軽く素振りをして課題の動きを確認して下さい。

そして中間目標に対してスクエアにアドレスしたら、体を動かしながら十分にリラックス。

準備が整ったら、あとは何に集中すればいいんでしたっけ?

ボブ:ターゲットです!

スコット・サケット:その通りです!

 

ナレーション:皆さんも練習を通して効果的なプリショットルーティーンを覚えて下さい。

コースで無意識にできるようになれば、しっかりと身に付いた証拠。

そうすれば、プレッシャーの掛かる状況でも、ナイスショットが打てるようになりますよ。

この後は弾道の法則について学びますが、その前にレン・マティースのワンポイントアドバイスのコーナーです。

 

PGAツアーきっての堅実なプレーヤーとして知られる「レン・マティース(Len mattiace)」

2002年ツアー2勝、2003年マスターズ2位のマティースから、アマチュアゴルファーに贈るワンポイントアドバイス。

今回は、プリショットルーティーンです。

 

【ワンポイントアドバイス】~プリショットルーティーン~

レン・マティース:プリショットルーティーンは、欠かすことのできないものですね。

それは自信と安心感のようなものを、もたらしてくれます。

いつも同じことをやっていると言う感覚でプレーできるんです。

我々は、毎ショット必ずやっていますよ。

(解説)
スコット・サケット:ツアープロは皆、自分なりのプリショットルーティーンを持っています。

そして、プリショットルーティーンを行うことで、スイングのことを忘れ、ボールとターゲットに気持ちをしっかりと集中させています。

キッカケの動作は右手でシャツの袖をつまむ動きです。

これで集中力を高め、そしてこのあと中間目標に対してセットアップします。

マティースの場合、ボールの約1m先のターゲットライン上に目印を見つけ、その中間目標に対してフェイスをスクエアにセットします。

フェイスを正しくセットできたら、次にスタンスがターゲットラインと平行になるように構えます。

ここで一度ターゲットを見て方向を確認し、これでアドレスは完成。

さらにもう一度ターゲットを見ます。

打ちたいショットのイメージを頭に描いたら、あとは普段通りのスイングをするだけです。
(解説終り)

レン・マティース:全てのショットにプリショットルーティーンはあります。

僕の場合、バンカーショットの時は一度素振りをしてからバンカーに入り、打つ前にもう一回素振りで感じを掴みます。

これが、バンカーショットのプリショットルーティーン。

それから、ショートパットの時でも、ボールの後ろで素振りを一回やってからボールにアドレスします。

やり方は別として、常に同じプリショットルーティーンをやるのが大切です。

(コーナー終了)

【弾道の法則】

ナレーション:さてレッスンの後半は、弾道の法則について勉強して行きます。

弾道の法則とは、自分の打ったボールの球筋からインパクトで何が起きたのかを導き出す方法。

これを知っていれば、ミスショットの原因をその場で突き止める事ができます。

 

スコット・サケット:ボールの飛び方というのは、誰が打ったかと言う事では無く、どのような打ち方をしたかで決まります。

つまり、飛んで行くボールを見ればどんなスイングをしたのかがよく分かると言う訳です。

ツアープロの平均を見てみると、パーオンの確率は毎年71~72パーセントとなっています。

つまり18ホールのうち、12~13ホールでパーオンすると言う事になります。

しかし逆に考えれば、ワンラウンドのうち5ホールから6ホールはグリーンを外しているんです。

それでも彼らのスコアは?

ボブ:だいたい60台!

スコット・サケット:そうです! 60台で回って来るんです。

しかし、7割しか思い通りのショットが打てないのに、なぜ彼らはそれほど高いレベルでプレーできるのでしょうか?

その理由は、ミスショットした後にフィニッシュでボールの行方を確認し、直ぐにスイングの問題を修正できるからです。

 

ナレーション:物事には全て原因と結果がありますが、それはゴルフでも同じこと。

ショットの方向性は、2つの要因によって決まります。

それは、クラブの軌道とフェイスの向きです。

 

スコット・サケット:ボールの飛び方は、方向性に関しては全部で9種類しかありません。

そして一人のゴルファーが打てるのは、通常そのうち3種類です。

それではこれから、時計の図を使って説明して行きましょう。

皆さんにはもうすっかりお馴染みになりましたが、6時から12時の方向に引いてあるラインはターゲットライン。

向こうにあるタワーの方向を向いています。

それでは、もし私が7時の方向から1時の方向へ向かってスイングしたとすると、そのスイングを何と呼びますか?

ボブ:インサイドアウト!

スコット・サケット:そうです、そしてゴルファーの85パーセントは5時の方向から11時の方向に振りますが、そのスイングは?

ボブ:アウトサイドイン!

スコット・サケット:そうですね、ではボールが右に飛び出す時、スイングはインサイドアウト。

反対に左に飛び出す時は?

ノーリーン:アウトサイドイン!

スコット・サケット:そして、真っ直ぐに飛び出す場合は、クラブはインサイドからスクエアに下りて再びインサイド。

これを、インサイドインと呼びます。

つまり、スイングの軌道によって、ボールの飛び出す方向が決まります。

次に、ボールが飛び出した後、そのまま最後まで曲がらない場合。

この時、インパクトのクラブフェイスは、スイングの軌道に対してスクエアです。

では、ボールが途中から右に曲がる場合は?

ボブ:フェイスはオープン!

スコット・サケット:クラブフェイスがオープンになっている事を意味します。

また左に曲がる時は、フェイスは軌道に対してクローズになっています。

 

ナレーション:それではここで、弾道の法則についてもう一度確認しておきましょう。

まずボールの飛び出す方向は、クラブの軌道によって決まります。

ターゲットラインに対して、インサイドインのスイング軌道なら真っ直ぐ。

インサイドアウトの軌道なら右。

そして、アウトサイドインの軌道であれば、左に飛び出します。

次に、ボールの曲りを決めるのは、インパクトでのフェイスの向きです。

スイング軌道に対して、フェイスの向きがスクエアならボールは曲がらず、フェイスの向きがオープンになるとボールはスライス。

軌道に対してフェイスがクローズの場合はフックします。

この法則を利用して、自分のミスショットがどのパターンに当てはまるかを確認すれば、問題点をその場で修正する事ができます。

さて、サケット先生はここでノーリーンにボールを打たせます。

弾道の法則を使って、ショットの結果からスイングの診断をすることを実際に生徒たちに体験させるためです。

 

スコット・サケット:うん~~、ナイス!

ボールをよく見て下さいね!

飛び出しの方向はどうでしたか?

ティム:少し右!

スコット・サケット:ほんの少し右でしたね。

と言う事は、スイングの軌道は?

ボブ、ノーリーン:インサイドアウト!

じゃあ、ボールは曲がりましたか?

ティム:いいえ!

スコット・サケット:右に出てまっすぐ飛んだと言う事は・・・

ボブ:フェイスはスクエア!

スコット・サケット:インサイドアウトのスイング軌道に対して、フェイスはスクエアです。

これを、プッシュアウトと呼びますが、もともとアウトサイドインだったノーリーンにとっては良いことですよ。

ノーリーンとボブは、インサイドアウトに振れればOKです。

弾道の法則を通して覚えて欲しいのは、全てのショットを完璧に打つのは不可能だということ。

そして、ミスショットをした時には、ボールの飛び方から自分のスイングを診断できなければいけないんです。

ツアープロをよく見て下さい。

男子でも女子でも、ミスショットをしたあとは必ずある事をチェックしているんですが、それは何だか分かりますか?

ボブ:ディボットです。

スコット・サケット:ディボットを確認してそれから素振りをします。

本当はこうするはずだったという正しいスイングを、しっかりと確認するんです。

そしてクラブをキャディーバッグに戻したら、ミスショットのことは忘れてしまいます。

ボールの飛び方は、スイングを診断する究極の方法なんです。

ボールの飛び方は全部で9種類しかありません。

ボールの飛び出す方向はスイングの軌道によって決まり、ボールの曲りを決めるのはインパクトのフェイスの向きです。

弾道の法則とプリショットルーティーンでゴルフは確実に上達します。

【今日のおさらい】

ナレーション:それでは、今日のおさらいです。

■プリショットルーティーンはラウンド中絶対に欠かすことができない大切なものです。

特に重要なポイントは、ボールよりもターゲットに気持ちを集中させること。

アドレスに入ったら、体を動かしながらターゲットを見つめ緊張や余計な考えを取り除いて行きます。

ショットの後は、フィニッシュでボールの行方をしっかりと確認する事が大切です。

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■弾道の法則を利用して自分のスイングを診断し、問題点をその場で修正できるようにしましょう。

スコット・サケット:プリショットルーティーンを始めてからショットを打ち終わるまでの時間は、せいぜい45秒くらい。

アドレスが長いと、余計な事を考えて身体に力が入ります。

プリショットルーティーンも、ショットと同様に練習して下さい。

その日の練習の最後の20分を費やして、できればビデオでチェックすると良いでしょう。

シンプルで効果的なプリショットルーティーンを身に付ければ、ナイスショットの確率がグンとアップしますよ。

 

ナレーション:PGAツアー公認のメソッドで、ワンランク上のゴルフを目指すPGAツアーゴルフレッスン!

次回はこれまで学んできたことをコース上で実際に試しながら、状況に応じたショットの打ち方を勉強します。

どうぞお楽しみに。

 

 

【Lesson10】~ラウンドレッスン(On-Course Instruction)~

 

 

ナレーション:ハンディキャップ15、スライスに悩むボブ!

ハンディキャップ28のノーリーンも、やはり課題はスライスの克服。

一方、フックが悩みというハンディキャップ12のティム。

3人の生徒たちは前回のレッスンで、プリショットルーティーンと弾道の法則について学びました。

正しいプリショットルーティーンは、ラウンド中絶対に欠かすことができない大切なものです。

常に正しいアライメントで構え、しっかりと気持ちをターゲットに集中させる事がポイントです。

フィニッシュではボールの行方をしっかりと確認。

弾道の法則に従ってスイングを診断し、問題点をその場で修正できるようにしましょう。

レッスン10回目の今日は、様々な状況に応じたショットの打ち方を学んで行きます。

 

【ラウンドレッスン】~状況に応じたショット~

ナレーション:スタートを前に入念にウォームアップする3人。

スイングのチェックに余念がありません。

コースでのラウンドは、レッスン開始以来これが2回目。

ただし、ここまで学んできた事を実践で試すのは初めてとあって、生徒たちの心の中には期待と不安が入り混じります。

1番ホールは385ヤードのパー4。

ティーショット落下地点の両サイドは池とバンカーで挟まれており、まずは確実にフェアウェイセンターを狙います。

またグリーンの奥には深いブッシュが迫っているので、第2打は絶対にグリーンをオーバーしてはいけません。

 

スコット・サケット:皆さん、このホールはボギーを目指しましょう。

目標は3オン2パットのボギーです。

ボブ:パーならボーナスですねぇ。

スコット・サケット:そうです、ワンパットのパーならボーナスと思って下さい。

 

ナレーション:スタートホールのティーショットはティムから。

誰もが緊張するその日最初のショットですが、前回学んだばかりのプリショットルーティーンを取り入れる事で、普段通りのスイングができるでしょうか。

 

スコット・サケット:ナイス!!!

ボブ:ナイスボール!!!

スコット・サケット:今のは、少し右に飛び出すボールでしたね。

ティム:はい、そうです。

スコット・サケット:良かったですよ!

この前のラウンドよりは、格段に進歩していますよ。

ティム:本当ですね!

 

ナレーション:この日の調子を占う上でも大切なスタートホールのティーショット。

3人ともまずまずの当たりを見せ、気分よくスタートを切りました。

ティムの第2打は右サイドのラフから。

グリーンは十分に狙える位置ですが、ここでちょっとした問題が生じました。

 

スコット・サケット:ピンまでは128ヤードくらいですが、私だったら120ヤードくらいのクラブで打ちますね。

ティム:クラブの間ですねえ。

スコット・サケット:どのクラブの間ですか?

ティム:9番とピッチングウエッジです。

スコット・サケット:そうですか・・・。

 

ナレーション:クラブとクラブの間の距離を打つ場合はどうしたら良いのでしょうか?

こういう時は、番手の大きいクラブを短く持って、距離をコントロールします。

サケット先生は、9番アイアンを2~3cm短く持って打つようにアドバイスしました。

 

スコット・サケット:これはいいぞぉ~~~、止まれ止まれ!!!

ナイスオン!!!

ティム:あれ以上は無理ですねぇ!

スコット・サケット:こういう場合は、大きい方のクラブを2~3cm短く持って普通にスイングするんです。

そうすれば、6~7ヤード飛距離が短くなります。

ティム:6~7ヤードですね。

スコット・サケット:そうです。2~3cm短く持って普通にスイングすればいいんです。

 

ナレーション:見事パーオンに成功したティムに対して、ボブとノーリーンは第2打でグリーンを捉える事はできませんでした。

しかし2人にとって、これは予定通りの攻め方。

レッスンで覚えたショートゲームをフル活用して確実にボギーを取りに行く作戦です。

また、パッティングも朗かに進歩しました。

特にパターの長さを短くして、肘を伸ばしたフォームに変えたノーリーンとティムはストロークが安定し、距離感が格段に良くなりました。

それぞれレッスンの成果を発揮した1番ホール。

ボブとノーリーンは作戦通り、ボギーでホールアウト。

そしてティムは見事にパーです。

さて、この日のノーリーンは序盤からドライバーが絶好調!

男性陣顔負けの豪快なショットを披露します。

 

スコット・サケット:お~~~、これはすごい!!!

ナイスショット!!!

もの凄く飛んでますよ!!!

ティム:本当にすごいねえ!!!

ノーリーン:どうもありがとう!!!

スコット・サケット:凄く良かったですよ!

 

ナレーション:4番ホールは522ヤードのパー5。

第2打を右の林に入れたノーリーンは、これから第3打です。

正面の木が邪魔になるために、右からフックボールでグリーンを狙おうとしますが、ここで先生のチェックが入ります。

 

ノーリーン:ピンまで156ヤードです。

スコット・サケット:ここはグリーンを狙わず、130ヤードで行きましょう。

130ヤードだったらクラブは何番ですか?

ノーリーン:6番アイアンです。

スコット・サケット:グリーンを狙うと、トラブルの危険がありますからね。

 

ナレーション:やる気満々だったノーリーンですが、先生から安全策を命じられ少々ご不満の様子です。

しかしこのホールは左サイドに池があるので、フックでグリーンを狙うのは大変危険。

確実にグリーン手前のフェアウェイに刻み、次のアプローチで勝負するのがこの場合、最善のプレー選択なのです。

 

スコット・サケット:大丈夫! いいですよ。

狙い通りのショットです。素晴らしい!!!

 

ナレーション:ノーリーンの第4打はグリーン手前の絶好の位置から。

先生のアドバイスでロブウエッジを使った、8時から4時のピッチショットでピンを狙います。

ロブウエッジと言うクラブはロフトが大きいために、ボールが高く上がりランが少ないのが特徴。

柔らかいボールで、ピンのそばにボールを止めたい時に威力を発揮するクラブです。

 

【ロブショットの打ち方】

それではここで、ロブウエッジの特性を生かしたショットを紹介しましょう。

ハザード越えなどの場合に効果的なロブショットの打ち方です。

■基本的な打ち方はバンカーショットと同じ。

ボールの下にヘッドを滑り込ませます。

■ボールの位置は左寄りにして、クラブフェイスはややオープンにセット。

■体重は左右均等に構え、フィニッシュでなるべく右足のカカトを浮かせないようにします。

■リストコックを柔らかく使ってテイクバックしたら、あとはオープンスタンスに沿ってスイングします。

ただし、このショットはリスクが高いので、ライの状態が良い場合を選んで使うようにして下さい。

さて、再び4番ホールに戻って、ノーリーンの第4打です。

 

スコット・サケット:うん、これは上手く打てましたね。

ナイスオンですよ!!!

 

ナレーション:ラウンドはまだまだ続きますが、ここでレン・マティースのワンポイントアドバイスのコーナーです。

PGAツアーきっての堅実なプレーヤーとして知られる「レン・マティース」(Len mattiace)

2002年ツアー2勝、2003年マスターズ2位のマティースから、アマチュアゴルファーに贈るワンポイントアドバイス。

今回はロブショットです。

【ワンポイントアドバイス】~ロブショット~

レン・マティース:今、ライがアップヒルになっているので、ボールは自然に高く上がる状況です。

だから特にボールを上げる事は意識しません。

スタンスはスクエアで、フェイスは少しオープン。

アウトサイドにテイクバックして、フィニッシュはこの位置。

アップヒルのライを利用して打つ感じですね。

 

(解説)
スコット・サケット:打ち方はほとんどバンカーショットと同じです。

このショットはだいたい20ヤードくらいの距離だと思いますが、それでもマティースはフルスイングしています。

クラブフェイスはバンカーショット同様オープンにセットし、テイクバックもやはりバンカーショットと同じようにアウトサイドに上げています。

また、バックスイングで右サイドに体重移動しないところも、バンカーショットと一緒です。

そしてここからダウンスイングに入って行きますが、インパクト直後でクラブヘッドがボールに先行しているのが分かります。

この事によって、ボールは高く上がるのです。

あとはフィニッシュまで一気に振り抜くだけです。

最も大切なのは、ロブショットはライが良い場合に限るということ。

そしてバンカーショットと同じように打つことが、ロブショット成功の秘訣です。
(解説終了)

 

レン・マティース:グリーンが凄く硬くて速い場合は、ボールをもっと高く上げる必要があります。

そういう時は、フェイスをもっと開きます。

スタンスは少し開く程度ですが、フェイスは思いっきりオープンにするんです。

そして、更にフェイスを開きながら、アウトサイドにテイクバックします。

こうすることで、クラブのロフトが8度から10度くらい増します。

あとは、フェイスを大きく開いた状態のまま振り下ろすだけです。

これは非常にリスクの大きいしょっとですが、例えば物凄い打ち上げの状況や高い木を越える場合、それにグリーンがとても硬い時には必要です。

僕はこのショットを、ウルトラスーパーソフトクリームショットと呼んでいます。

アドレスでオープンにしたフェイスを、バックスイングで更に開くのがポイントです。

(ワンポイントアドバイス終了)

 

ナレーション:それでは再びコース上に戻ってラウンドレッスンの続きを見て行きましょう。

最年長のボブは、ショートゲームの調子は良いのですが、どうもショットが不安定。

サケット先生から、再三注意を受けます。

 

スコット・サケット:ボブ、プリショットルーティーンはちゃんとやりましたか?

ボブ:はい!

スコット・サケット:素振りも?

ボブ:ええ、やりましたよ! でもダメでしたよ。

スコット・サケット:いいですか、あなたの場合はアドレスが長過ぎるんです。

素振りをしたら、後ろに回って目標を確認!

ターゲットを見て、リラックス。 ターゲットを見て、リラックス、そして打つと言う感じです。

ボブ:どうしてもボールを見ちゃうんです。

スコット・サケット:ボールを見過ぎると、余計な事を考えますよ。

ノーリーン:こっちよ、ボブ!

 

ナレーション:5番ホールは426ヤードのパー4。

ボブはティーショットを右の林に打ち込んでしまいます。

何とかボールは見つかりましたが、ここからグリーン方向に打つことはできません。

そこで、次の3打目が打ちやすくなるように、まずはフェアウェイに出す事にしました。

しかし、ボールはフェアウェイを突き抜け、反対側の斜面まで行ってしまいました。

 

ボブ:先生! 助けて下さい。

つま先上がりのライから、距離は105ヤードです。

スコット・サケット:この場合は、ピンの7~8m右を狙いましょう。

9番アイアンを短く持って、しっかりとスイングして下さい。

125ヤードぐらい飛ばすつもりでいいですよ。

 

【つま先上がりのライからの打ち方】

ナレーション:それではここで、つま先上がりのライからの打ち方を説明しましょう。

今、ピンはこの方向(黄色線)にありますが、つま先上がりのスロープからのショットはボールがフックするために、実際の目標よりも右を狙います。

構えた方向にスイングすれば、ボールはピンに向かって飛んで行ってくれます。

また、少し大きめのクラブを短く持って打つようにして下さい。
(説明終了)

 

ボブのボールは、やはりかなり左に行ってしまいましたが、何とか池を免れる事はできたようです。

更にトラブル続きのボブ。

今度はグリーン周りからのアプローチショットですが、左足下がりのラㇷというちょっと厳しいライ。

ボールを上げるのは難しい状況です。

サケット先生のアドバイスで、ロブウエッジを使ってこのショットに挑むことになったボブ。

果たして、上手く打つことができるでしょうか。

 

【左足下がりのライからのアプローチ】

ナレーション:左足下がりのライからのアプローチで一番大切なポイントは、アドレスで左足に掛けた体重をスイング中変えない事です。

リストコックを使ってバックスイングをしたら、あとはフェイスをボールの下に滑らすようにクラブを振り下ろすだけ。

体を動かしてはいけません。

 

ボブ:トップしちゃいました!

スコット・サケット:ちょっと、トップでしたね。

いいですか、こういうライからの場合は体重を左足に掛けて、このようにクラブヘッドだけを滑らせる感じです。

体は全く動かしませんよ。

よく見てて下さいね。

上げて、下ろす。上げて、下ろす。

ボブ:ボールを上げようとしたのかな。

絶対にボールをすくい上げようとしてはダメですよ。

 

ナレーション:次々と訪れる様々な状況に、生徒たちは大忙し。

練習場では学べない貴重なレッスンが、コース上には目白押しです。

5番ホールのノーリーンは、第2打が左足上がりのライからのショット。

本人は、かなり打ちにくそうにしています。

 

【左足上がり&左足下がりからの打ち方】

ナレーション:それではここで、左足上がりと左足下がりのライからの打ち方を説明しておきましょう。

左足上がりと左足下がりのライからのショットで、最も大切な事はアドレスの構え方です。

■まず、体は斜面に沿って構えます。

■次に、ボールは高い方の足に寄せます。

左足上がりの場合は左足寄りです。

■そして、体重は低い方の足に掛けて下さい。

左足上がりでは右足体重となります。

■上り傾斜でロフトが増すため、左足上がりの場合は大きめのクラブを使います。

■傾斜地では、大振りをしない事が大切です。

■左足下がりも同様に、体は斜面に沿って構えボールは高い方の足に寄せ、体重を低い方の足に掛けます。

■また、下り斜面でロフトが立つので、左足下がりの場合は小さめのクラブを使います。

(説明終了)

 

ナレーション:さて、ノーリーンのショットはピンまで151ヤード、クラブは5番ウッドです。

果たして上手く打つ事ができるでしょうか。

ノーリーン:うわ~~~! 何とか助かったみたい。

でも、右に行っちゃったわ!

今日は全部右に行っちゃう。 何が悪かったのかしら。

とにかく右ばっかり。

はあ~、難しい!

ボブ:本当にそうだねぇ。

 

ナレーション:スタートは好調だった生徒達ですが、ラウンドが進むにつれてイライラを募らせて行きます。

特に戸惑っていたのはプリショットルーティーン。

今までと違う動きを取り入れたため、思うようにショットのリズムが掴めません。

また、改造したスイングもまだ体に馴染んでおらず、表情もなかなか冴えません。

 

スコット・サケット:あそこなら大丈夫ですよ。

ティム:本当???

スコット・サケット:グリーンに残ってるんじゃないかな。

テンポは良かったですよ、ちょっとフックが掛かったけど・・・。

ティム:なんか凄く変な感じなんですけど・・・

スコット・サケット:大丈夫! 気にしないで!

とにかく今気を付けるところは、グリップをウイークにして腕をロールしながらテイクバックすること。

ティム:今までと全然違うんです!

スコット・サケット:大丈夫! 大丈夫!

 

ナレーション:しかし、もちろん収穫もありました。

弾道の法則に従ってミスショットの原因を診断し、スイングの問題点をその場で修正できるようになったことです。

 

スコット・サケット:(ボブ)OK! いいんじゃない!!!

ボブ:大丈夫ですか?

スコット・サケット:ストロンググリップにしたのが良かったですね。

しばらくスライスが続いていましたけど、そういう時は弾道の法則に従って、思いっきりストロンググリップにしましょう。

プリショットルーティーンもずいぶん良くなりましたよ。

 

ナレーション:そしてショートゲームは見違えるほどの進歩を見せました。

今回のラウンドレッスンを通して、生徒たちはそれぞれゴルフ上達の手応えを徐々に感じ始めて来たようです。

ノーリーン:2番のショートホールで、ティーショットをグリーンオーバーしちゃったったんだけど、そこからパーをセーブできたのが良かったわ!

ティム:時々良いショットも出たし、満足しています。

今はスコアのことよりもボールをしっかり捉える事と、習ったことを実際にコースで使えるようにする事を目指していますからねぇ。

もちろんもっと上手くできれば良かったんですけど、それにはもう少し時間が掛かりますね。

 

スコット・サケット:3人とも良くやっていると思いますよ。

新しいプリショットルーティーンの影響で、プレーのリズムが少し崩れていますが、それでも皆一生懸命身に付けようと頑張っています。

あと2~3回ラウンドすれば、もっと良くなるでしょう。

今までは、プリショットルーティーンのやり方が毎回バラバラでしたからね。

とにかく、もう少しで新しいプリショットルーティーンにも慣れるでしょう。

もちろんそれ以外にも新しく覚えた事がたくさんあって、スイングもまだ体に馴染んでいませんが、大切なのは我慢して練習し続ける事です。

 

【ディボットからの打ち方】

ナレーション:それでは最後にもう一つ、ディボットからの打ち方を紹介しましょう。

 

スコット・サケット:完璧なティーショットが、ディボットに入ってしまう。

こんな不運に見舞われた場合でも、ゴルフのルールではそのままの状態から打たなければなりません。

でも安心して下さい。

アドレスで3つの事を変えるだけで、簡単に打てるようになります。

■まず、ボールは右足寄りに置いて下さい。

ボールの手前をダフらないようにするためです。

■次に、60パーセント左足体重で構え、そしてバックスイングでは体重移動をしないようにします。

そうすれば、上からダウンブローに打ち込む事ができます。

■3つ目は、グリップの強さは10段階の6~7。

通常のスイングは3~4ですが、この場合はしっかり振り抜くため強く握ります。

アドレスで3つのことを変えるだけです。

グリップは強く、ボールは右足寄り、60パーセント左足体重でダウンブローに打ち込むようにして下さい。

 

ナレーション:PGAツアー公認のメソッドで、ワンランク上のゴルフを目指すPGAツアーゴルフレッスン!

次回のテーマは「効果的な練習方法」

レッスンで教わった内容をしっかりと自分のものにするために普段の練習方法もグレードアップさせましょう。

どうぞお楽しみに!

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